今回の一連の報道に関して

勿論凄惨な事件に関しては

非常に残念に思う。

それをまず最初に述べさせて頂こう。

それを踏まえて率直に思うのは

遂に悪質店がなくなり

適正な勝負ができる時代になった

という事だ。

実は昔から

売掛という制度には非常に疑問があった。

売掛を自分で立て替えて作る売上記録に意味があるのか？

お金を稼ぐためにホストになったのに売掛を飛ばれてお金が無くなるなんてナンセンスだ

接客した上に回収業もやるなんて

給料の貰えない副業をするようなものではないか？

と。

(あくまで従事者であった時の意見であり

顧客に寄り添った意見ではないことはお許し願いたい)

恥ずかしながら新人時代は

売掛で相当な苦労をした。

何百万という売掛を飛ばれ

ちゃんと入金して頂けるか締め切りまで心が休まらず

入金して頂けたとしてもそのやり取りの中で関係が悪化してしまったり

本当に辛かった。

故に俺は

もう一切売掛をするのをやめよう！と心に誓い

それ以降1円も売掛をしていない。

それが2014年の1月だ。

その当時売掛だらけの見せ掛けの売上によって

売れっ子というカテゴライズをされていた僕は

自分が売掛をしないとほとんど売り上げを上げられないホストである事を知り愕然とした。

それまでナンバー上位が定席だった俺は

売掛を一切やめた途端に

その月のNo.8まで落ちた。

だけどそこが俺のホスト人生の1番の転機だったと思う。

その月に貰った給料は

売掛の立替金などを引かれていない

紛れもない純粋な労働の対価だった。

そこから

独自のやり方で売掛を一切せずに営業するやり方を学び

気付けば売掛をせずともNo. 1を取れるようになった。

売り上げた通りの給料を頂けるので

かなりのお金を貯金することもできた。

ホスト業界に精通する人々ならご存知かもしれないが

俺はそんなに売れていないホストとして有名だ。笑

ローランドというホストは業界で

輝かしいほどの売上記録なんて１つも記録していない。

僕より優れた売上記録を持ったホストなんて

数えきれないほどいる。

当時から

そんなホストと比べられ

ローランドは知名度や態度は一流かもしれないが

実際には大したホストなんかじゃない

そう言われ続けてきた。

正直それがとても悔しかった。

だが毎月何千万という驚異的な記録を打ち立てるホストに

小馬鹿にされようが

売掛や立て替えなどといった不健全なドーピングがまかり通る世界で

そこに対抗しても意味がないと割り切り

どんなことを言われても

売掛なしの営業を貫き

ひたすらメディアへのアプローチの方法を研究し

いつかの独立に備えて貯金をし続けた。

いつか

真面目にやっているやつが報われる時代が来ると信じて。

そこで培ったノウハウは

後進の育成において非常に役立っており

報道以前からローランドグループ全体の売り上げの9割は

売掛無しの売り上げだった。

また成人法の改正以後18歳以上から入店可能ではあったが

未成年には一切の売掛を禁止していた。

売掛で売るのはダサいのだという哲学を浸透させ続けていたし

競合他社がどれだけ売上記録を作ろうと

そんなものは気にするなと言い続けた。

何故なら

正攻法で作った数字にしか価値がないのだからと。

残念ながら売掛が一切ゼロではなかったのは

慣例的な文化への惰性と

僕のこだわりを徹底しなかった詰めの甘さだろう。

今までの業界の常識が非常識なのだと

スタッフに説得させ切ることができなかった部分であり

このような報道が起こるとも正直想定していなかった。

だが先述した通り

売掛での売り上げは全体の10%ほどで

グループとして売掛制度は

あっても無くてももはやどちらでもよい

というようなものだったし

何より今までの経験を元に

一切の売掛をしなくても営業できると自分自身が確信している。

僕自身がそのノウハウを持っているので指導も容易であり何も問題ないと判断した。

それがこのタイミングで一切の売掛禁止にした理由だ。

報道の影響もあり

キャストからの不満は全くなかったし

むしろ業界全体でフェアな競争が出来るので

早く法律で一切の売掛と立て替えを禁止にして欲しいとすら思っている。

我々はそれを強く望んでいる。

そうなれば

お客様がより安心して来店出来るようになるのは勿論

うちのスタッフ達の数字も

本当に評価してもらえる時代が来ると思うし

ローランドグループに来てくださっているお客様が

いかにモラルのある素敵な方々なのかという事もより知って頂けると思うので。

売掛を一切禁止にしても抜け道が沢山あるのでは？

というような声もある。確かにその通りだ。

法規制の及ばない

個人が立て替えるという形をとった場合だ。

これは現状完全にスタッフ達の自制心の問題となるだろう。

個人が立て替えて

精神的にストレスを感じるような不健全な営業は

巡り巡って店の運営の不利益になる。

目先の利益は生まれるが

スタッフが辞めたり潰れてしまったりするので

長期的に見ればマイナスなのだ。

だから

法律で一切の禁止にしてくれた方が

キャストの保護やお客様の安心面を考慮するとありがたいのだが…。

勿論そんな法律を作る事は

現実的ではないことは承知の上だが。

現状立て替えに関してはキャストのモラルと申し上げた。

我々のグループはメディアでの注目度を加味すると

ほとんどガラス張りの営業をしていると言っても過言ではない。

少しの不祥事も大きく報道されてしまう。

要するに「下手な事はできない」という

目に見えない抑止力がある。

我々がこの業界でいいポジションにいられるのは

このメディア露出とクリーンなイメージあってこそだ

という事をスタッフが痛いほど理解しているからだ。

目先の利益を優先しこのイメージを崩せば

この先何百という競合他社と同じ客層を

取り合わなくてはいけないことを彼らは知っている。

故に

かなりの抑止力と自制心が働くと想定してる。

また立て替えている事が発覚した場合

当該月のナンバーの反映は一切無しなどの罰則も検討中だ。

コロナ禍と言われた2年間

しっかりと休業をした店舗は200とも300とも言えるホスト業界の中で我々だった事も考慮し

競合他社以上の倫理観と責任感を持って営業しているという俺の言葉を信じて頂けると幸いだ。

今回のホストクラブに関しての議論は

客層の多くが風俗産業従事者あること

およびその入り口となっていること

そもそものビジネスモデルへの倫理観

価格設定などなど

多岐に渡るものだった。

業界に従事する者として

避けては通れない議論だと思っている。

今後その辺りの僕の考えも自社のメディアで述べられたらと思っている。

なんにせよ

この報道でモラルに反した店は淘汰されていくであろう。

ダーウィンの進化論よろしくこれは自然淘汰と言える。

さすればこの流れに順応するより他ない。

俺自身この業界への愛情は揺るがないし

今後もこのホスト業界で生き残っていきたいと願っているから。

結局時代によって嘴の形を変えられないフィンチは

生き残ることはできないのだ。

Catch you later!