みたいな物があったらどうだろう。

しかもそれが身近にあったとしたら。

怖い。非常に怖い。

でも、それが実際にある。

スマホだ。

触っていると、気付いたら1時間2時間

あっという間に時間が経っていた。

なんて経験みんなにもきっとあるだろう。

その1時間2時間の記憶を遡っても特に何もない。

空白の時間なのだ。

なんとなくインスタを開き

5分後には忘れてしまうであろう内容にいいねを付け

自分の投稿は何回いいねが来ているか5分おきに確認し

そんな事をしていると

知り合いからラインが2通入っており、とりあえず適当な返信をする。

それからなんとなくアマゾンを開き、眺めているうちにさっきの投稿のいいねは増えたかまたインスタを確認する。

気付いたら1時間なんてあっという間だ。

身体も健康で

美しさも兼ね備えた

20代の貴重な時間を1時間無駄にしたのだ！

寿命を吸い取られたのと同じである。

これは

5年ほど前の自分だ。

旅行に行っても何を食べに行っても

どうしてもスマホが気になる。

そして、1日が終わる頃

今日の出来事を振り返ると

思い出があやふやなのだ。1日がとても短く感じられる。

ある時

1人旅で出た先でスマホの充電が切れてしまった。

無性に落ち着かなかったったが、充電する術がなかったのでしょうがない。

諦めて移動した。

それからしばらくして

ローカル電車の車窓をぼんやり眺めていたのだが、不思議だ。

景色ってこんなに綺麗だっけ？

昔は綺麗な物を見ると、すぐさまカメラを向けていた。

あとで、データを見返せばいいか。

そんな気持ちがどこかにあったのだろう。

(撮った時を最後に大抵は見返す事はないというオチもつくのだが)

目に焼き付けるという事を忘れていたようだ。

もう見返せない。

刹那的なこの美しい景色を脳裏に刻もう。そう思うと景色が余計に綺麗に見えた。

旅の食事先でもそうだった。

いつも料理が出ると真っ先に写真を撮った。

物を噛みながら連絡を返す事もあった。

だが、充電が切れているのだからそうはいかない。

食事と誠心誠意向き合ってみると、久しぶりに心から食事をした気持ちになった。

周りの客を眺めて

世の中には色んな人がいるのだなぁと。

ウェイターが頑張っているなぁ

あの人はどんな事を考えてこの仕事を選んだのだろう？

そういえば、今こんなステキな言葉を思いついた！

ボールペンを借りてナプキンにメモを取ろう。

いつもスマホをいじりながらなんとなくレストランを出る事が多かったのだが

その日は色々な事に想いを巡らせ

心から食事を楽しみ

しあわせな気持ちで店を出た。

この際この旅行ではスマホを充電するのをやめよう。

そう決心し、旅を終えた。

今までで一番の旅行だった。

その日から、スマホとは寿命を吸い取る呪いのアイテムのように感じられて

極力触れる事をやめるように努めている。

人のSNSを一切見なくなったのもこの時からだ。

近くにあるだけでその魔力に取り憑かれている気持ちになるので

自宅に帰り、一定の作業を終えると

箱の中にしまう。まるでパンドラだ(笑)

人には連絡を返すのが遅いと言われる。

ビジネスマンとしては少々プロ意識に欠けるのかもしれないが、それでもなんとか仕事は順調だし、人生を楽しむ方が大事だ。

俺はそう思っている。

スティーブ・ジョブズは革命的な発明をした天才かもしれないが

実は異世界から来た呪術師で

世界中の人間から寿命を吸い取り

また現世に生き返ろうとしているのかもしれないなぁ。

そんな事を考えながら、今ソファでブログを書いている。

スマホでね。(笑)

このブログを書き終えたらこの忌まわしき呪いのアイテムを箱にしまい、素敵な映画でも観て寝よう。

Catch you later!