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ローランド式 少女革命ウテナ【考察】

先日R指定アニメという番組でご一緒させて頂いているアナウンサーの松澤千晶さんから勧められた「少女革命ウテナ」というアニメを観た。

 

 

 

今日はその感想を書いていこう。

 

 

 

この作品は20年以上も前の作品である。

 

 

ストーリーはというと、子供向けの定番の少女漫画系かと思いきや

 

 

非常に難解で到底子供達には理解できないであろう内容なのである。

 

 

ヘルマンヘッセのデミアン「鳥は神に向かって飛ぶ」という言葉の引用と思わしき言葉が出てきたり

劇場版ではカフカの「城」という、超絶不愉快で憂鬱な文学作品のオマージュ的シーンが出てきたり(俺結構この作品すきだけどね)

 

 

まあ要するに分かりやすく言うと

遠足の水筒にロマネコンティが入れられている

 

 

そんな内容だ。

 

 

「お菓子は300円までですよ!」「先生バナナはお菓子ですか?」「皆さん、帰るまでが遠足ですよー!」

 

なんて言われているガキ共の水筒にロマネコンティが入れられているのだ。

 

 

みんなにも是非観て欲しく、故にネタバレしたくないのであまり内容には触れないが

 

僕がこの作品を通して感じたこと。

 

 

 

それは「説明できる好きは本当の好きじゃない」

 

ということ。

 

 

 

この作品にはストーリーに全く関係のない描写が沢山出てくる。

 

 

たとえば登場人物の1人がストップウォッチで時間を測ってそれをノートに書き留める

というシーンが何度も何度も登場する。

 

 

なにか意味のある行動なのか?なにかの伏線なのか?

と思いきや、とうとう最終話までその伏線は回収されずに終わるのである()

 

 

なんという裏切り!()

あの時間なんだったの!()

 

 

他にもストーリーとは全く関係の無いギャグ回も数話登場してきたりする。

 

 

僕は見始めた時

 

この作者は少し頭のおかしい系なのだと、そう感じていた。

 

 

だが、遂に最終話を迎えて僕は思った。

この作者は

 

「そもそもアニメに、意味のないシーンを入れてはいけないなんて誰が決めたんだい?

てか、意味ってそんなに大事?

 

全ての物に、存在理由とか意味を探したがる君たちってほんと可哀想だよね。

現に、私の書いたストーリーの意味は君達みたいな凡人には到底理解できないだろうけど

でも何故かこの作品が好きで好きでしょうがないだろ?

この感覚が、本当の「好き」ってやつなのさ。」

 

 

 

そんなことを伝えたいんじゃないか、と。

説明できる好きって本当の好きじゃないよ、と。

 

 

実際、登場人物たちの美しさ、哀愁や嫉妬心、微妙な恋心、耳に残る楽曲、癖のある演出、美しい作画、印象的なセリフの数々

 

それらに心惹かれた理由や意味は上手く言語化できないが

とにかく僕はこの作品の虜になっていた。

 

 

お金持ちだから

家柄がいいから

有名だから

スタイルがいいから

 

 

恋人の好きなところをそんな風に説明できる人は多いだろう。

 

 

また

年齢的にも結婚しなきゃヤバかったから

クリスマスを1人で過ごすのが惨めだったから

老後を1人で過ごしたくなかったから

 

 

などなど、その交際や結婚に「意味」がある人も多いだろう。

 

 

でもそれって本当の「好き」なのだろうか?

 

 

僕はサッカーが好きで、モノトーンの空間が好きで、フィレ肉のロッシーニ風が好きである。

 

 

でも何故好きか、理由や意味を説明しようと何度トライしてみても全くもって説明できない。

 

 

好きだから、好きなんです。

 

 

なんでか分からないけどとにかく無性に好きなんですよ!!

としか言えない。

 

 

きっとこれが本当の「好き」なのだ。

 

 

「意味」や「理由」なんて、別に対して重要ではないのではないだろうか?

 

 

登場人物がストップウォッチで時間を測ってノートに書き留めていたのは、別に何かの伏線なんかじゃなくて

彼がストップウォッチのフォルムや触り心地が好きで好きでたまらないからそれをしていただけのこと。

 

 

そう思えば、すんなり納得できる。

 

 

あのシーンは実はこういう隠喩なんじゃないか!隠されたメッセージなんじゃないか!

 

 

 

そんな風にあれこれ必死に意味を考察しているヤツってマジ可哀想

さぞかし頭固くてつまんねー人間なんだろーなー

 

 

きっと作者はそう思っていることだろう(あくまで僕の意見です笑)

 

 

作品の中で近親相姦や当時はタブーであったであろう同性愛が多く描かれていたのもきっと

 

 

本当に好きだと、ダメって分かってても心は止められないよね。たとえそれが禁断の関係だとしても!

てか、それが「好き」ってもんじゃん!

登場人物誰一人、相手が好きな理由なんて説明できねーから!

意味とか理由とかくだらねーこと言ってんじゃねーよばーか!

って言いたかったんだろうな(あくまで個人的な見解です笑)

 

 

 

ルターの有名な言葉に

明日地球が無くなるとしても、私はりんごの木を植える

というものがある。

 

 

え、明日地球が無くなるなら、リンゴを収穫できないんだし意味なくね?

と、多くの人が思うだろう。

 

 

でもこれが

「とにかくリンゴの木を植える行為そのもの」が好きで好きでしょうがない人の言葉だとしたら納得出来はしないだろうか?

 

 

言い換えると

 

 

結果や見返り、意味や理屈抜きでやりたいことや愛したいことが果たして貴方にありますか?

 

 

とルターは言いたいのだ。

 

 

僕はそう捉えている。

 

 

果たして貴方は明日地球が無くなるとしても、やりたいことはありますか?

 

 

意味や理由なんか説明できないけど、好きで好きでしょうがない人はいますか?

 

 

 

少女革命ウテナの果てしなく無意味で、果てしなく美しいストーリーを観てそんなことを考えてみるのはいかがでしょうか。

 

 

 

あ、一緒に酒飲みながらウテナ語れる人いたらぜひご連絡お待ちしてます朝まで語りましょうちなみに冬芽推しっす。

 

 

ではでは

 

 

 

 

Catch you later!

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